第1章 初のご来店
『え……、ちょっと待って!タンマタンマ!』
今まで由美の目力に負けて黙っていたけど、さすがにあれを見て、黙ってはいられなかった。
だって、おかしいでしょ。
こんな暗い路地裏に浮いた、異様なほど明るい光。
誰だって止めるでしょ?
「タンマって何が」
『ちょっと、何アレ!聞いてない!どこに行くの?まさか、あの怪しいピカピカしたとこに行くんじゃないでしょうね!?』
「あー、もう、ちょっと黙って!そうだよ、伊織の言う通り、あそこに行くんだよ!」
『やだやだやだ!怪しいもん!』
またまた由美に睨まれる。
「へえ?嫌なの?」
…………………。
『…………何もありません』
無駄な抵抗は、もう止めておいた方が身のためだ。