第12章 ボクの本命♪【トド松】
トド「みんなごめんね?今日はデートなんだ」
「デート?いいじゃん、その子も一緒に遊べばさー」
「トッティだって、いっぱいの方が楽しいでしょ?」
うん、もう帰ろう。
だって、こんなの怖すぎる。
敵に背を向けてはならない。
だから、そのままゆっくり慎重に後ろに下がる。あと、ちょっと……。あの角まで下がったら、あとは全速力で逃げる!
トド「おーい、伊織ちゃーん!!」
『うぎっ!』
終わった…………。
トド松さんが女子軍を引き連れてわたしに近づいてくる。
いや、正確には、わたしに近づいてくるトド松さんに女子達がついてきた、って感じ。
まあ、どちみち同じ。
怖いのは、同じ。
『んな!?』
ただでさえ女子が怖いのに、トド松さんがわたしの肩をくいっと自分の方へと引き寄せた。
トド「ごめんね?今日は彼女とデートなんだ。ボクにはこの子だけで充分。じゃあ、バイバイ♪」
『………な………』
何を言うかな!?
こんな所で!
こんな時に!
この子達を怒らせるようなことを!
「トッティつまんなーい」
なんて、ブーブー文句を言いながら、女子達が解散していく。
よかった………。
睨まれなくて。