第11章 だいじょーぶ!【十四松】
わたしは最近、閉店後はすぐに店を逃げるようにして出るのが癖になっていた。
あの中はわたしには窮屈だ。
気まずいし、なんか辛い。
わたしはもう、好きな人は作らない。
彼氏は作らない。
そう、決めたはずなんだけどな………。
どうして断れないんだろ………。
なんて、とぼけてるけど本当は理由、知ってるでしょ?気づかないふりしてるだけ。
わたしは彼らを哀れに思っているのだ。
ひとつの同情。
相手を想うことの楽しさ、喜び。
でも、振られた時、振り向いてもらえなかった時の、辛さ、どうしようもない悲しみ。
その、全てを知っているから。
そして、彼らをそれらから守るため、と自分に言い聞かせる。でも、それは建て前で。
本当は、彼らに憎まれたくない。嫌われたくない。
結局は、そういう、自己満足、自分の身の可愛さなんだ。
ほんと、サイテー。