第1章 初のご来店
見分けられる、というわたしの言葉に反応してか、ホスト達がにやりと口角を上げる。
「へーえ……。じゃあ、俺は誰か分かる?」
うわ、信じてなさそうな顔してる。めちゃくちゃ悪人ヅラじゃん。
『はい。おそ松さん、ですよね?』
時間が止まったかのように、全員が硬直する。
「緊急会議!」
おそ松さんの言葉に反応して、全員がぱっと集まる。
何を言ってるかは聞こえないけど………まあ大方内容は知れてるか。
どうせ、なんで?とかそんなんでしょ。
『あの、それで?結論は出ました?』
「まあさっきのは偶然かもしんないからね。ってことで、全員当てれたら今日は貸し切りオーケーにするよ」
さっきから黙っていたウエイターさんが怒声を上げる。
「はあ!?何決めてんの!?この店は僕のおかげで成り立ってんだからね!?勝手なことされると困るんだけど!!」
「シコ松は黙ってろ」
「そ、その名を呼ぶな!お客さんの!しかも、女性の前なんだけど!!」
「まあ、あいつは放ってていいから。んじゃ、始めよっか♪」
あーあ、変なゲームに巻き込まれちゃった。