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【DBトラ】友達

第2章 後編



 それは悟天も同じらしく、


「な、……何って、抱きしめてたんだよ! いいでしょ別に。恋人同士なんだからさ!」


どうにか怒鳴り返すが、完璧に迫力負けしてしまっている。


「お前の魂胆なんかバレバレなんだよ! どうせ付き合ってるフリして、オレを誘き出すつもりだったんだろ!?」


(……ば、バレバレ!?)


 ユメは恥ずかしくてカァーと顔を赤くする。


「フ、フリなんかじゃないよ! 仮にそうだとしたって、トランクス君今こうしてしっかり誘き出されて来たじゃない!!」

「そ、……それは、ユメが困っているように見えたから……」


 トランクスの声が急に小さくなる。

 それに気付いた悟天が再び強気に出る。


「今日僕たちすっっごいラブラブだったんだよ! 腕だって組んじゃったし、キスだってもうしたもんねー!」

「ご、悟天!?」


 ユメは焦ってやっと声を上げる。


(いくらなんでも、そんな……!)


 しかしユメが否定するよりも早く声を上げたのはトランクスだった。


「嘘付け! ただずっと手を繋いでただけだろ!!」

「へぇ? ……トランクス君、『ずっと』見てたんだ?」

「……あ。」


 とうとう言葉を無くすトランクス。


(うそ……ずっと……見てた?)


 ユメは目を見開いてトランクスを見つめる。

 ニヤーと笑った悟天は形勢逆転とばかりに反撃を開始する。


「フリってわかってるのに、ずーっと見てるなんて……。トランクス君、よっぽどヒマだったんだねぇ~」

「や、やっぱりフリだったんじゃないか!」


 バツの悪そうな顔でそれでも言い返すトランクス。


「そうだよ? 僕の作戦だもん。トランクス君は絶対に来るってわかってたんだ」

「ぐっ……」


 だがそこで、急に悟天の顔から笑みが消えた。


「――いい加減、認めなよ。トランクス君」

「な、何を……」

「トランクス君、ユメの事好きでしょ? 『友達として』なんかじゃなくてさ」

「!」


 胸が詰まる。


(もう、期待なんてしないって思ってたのに……)


 友人の背中越しに見えるトランクスを、ユメは祈るような気持ちでまっすぐに見つめる。


 ……トランクス……。


「……そうだよ。好きだよ!」


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