第3章 〈リクエスト〉竜胆の家【黒バス:青峰】
耳の後ろの次は首、肩、背中…と大輝がうまく洗えない場所を順に洗っていく。
私が言い出したら聞かないことを知っているので、大輝はされるままだ。
程良く筋肉のついた大輝の身体に触れていると、不思議な気持ちになる。
落ち着くような、ドキドキするような、相反する気持ち。
中学生とは思えない広い背中も代謝が良い熱い肌も。
何もかも私とは違う…
「何発情してんだよ」
ついぼんやりしていたらニヤニヤした大輝の顔が視界いっぱいになっていた。
顔に血が集まる。
「は、発情なんてしてないでしょっ」
恥ずかしくて視線を外す。
それが肯定になることなんて分かっているのについやってしまう。
「ばぁか、丸わかりなンだよ」
肩に腕を乗せられる。
大輝しか見えない位に近い。
短いキスが何度も降ってきて、くすぐったい。
両手を突っ張って引き離そうと試みるけどボディーソープが滑るだけで抵抗にもならない。
次第に一回のキスの時間が長くなっていく。
舌で舌を舐められて腰から力が抜けていった。
口の中がジンジンして、大輝にすがりつくようにキスを受ける。
さっきまで色々考えていたのに、すでに何も考えられなくなってしまっている。
今はもう、大輝の動きひとつひとつに振り回される。
耳元をくすぐられてゾクゾクと何とも言えない淫靡な感覚が腰を揺らす。
背筋をなぞる指にキツくのけぞると、反動で浮き上がった胸に噛みつかれる。
ビリッと電流が流れるような鋭い快感に声が漏れる。
「ひあっ」
濡れた浴室に裏返った声が響いた。
大輝はゆっくりと噛む場所をずらしながら胸の頭頂部に移動していく。
噛まれる度に甘やかな痺れと快感に身が震える。
胸の突起を転がされるように舐められて耐えきれない快感が波のように押し寄せる。
突き上げられる時とは違った純粋な快感に嫌々と身を捩る。
気持ち良すぎておかしくなる。
ぬるぬると、ボディーソープが普段とは違う感覚を与えて、背中を這う指にさえ感じてしまう。
「すっげー…大洪水。お漏らししたみてー」
ニヤニヤ笑う大輝は私の太ももを指でなぞる。
ツッと糸を引くソレはボディーソープ等ではなく、私から溢れ出して太ももの中程までを濡らした蜜だった。