• テキストサイズ

夜の詰め合わせ。【裏SS】

第3章 〈リクエスト〉竜胆の家【黒バス:青峰】


よく見れば2人とも口の端から零れたモノで所どころ汚れている。

「お風呂入ろっか」
「だな」

立ち上がってお風呂にお湯を張りに行く。
大輝はキッチンまでついてきて、うがいをしている。
──まぁ、私も自分の舐めさせられたらヤだもんね。

浴槽をザッと洗い流してぬるめにお湯を張る。
お子ちゃま大輝は熱いと入れない。
温度を確認しながら調整する。

すっかり生活が大輝仕様になってしまった。
バスタオルを脱衣所に用意しながらぼんやり考える。

「サン?」

ぴょこ、とドアの高いところから大輝の顔が飛び出した。
眉間にシワがきっちり入っている。
寂しい、辛い時に出来るシワ。

「もうちょっとで入れるよ。着替えもっておいで」
「わかった」

素直に頷いてすとすと歩く音が遠くなる。
私に出来ることは一時忘れさせてあげる事だけ。
根本的な解決には至らない。
そして──何より大輝が私に解決を求めていない。
何かしてあげたい、でも何も出来ない。

ここ数ヶ月で大輝が私の家に泊まっていく回数が以前の倍になった。
最近更に増えている。
寝るときもがっちり抱きしめられている。

(なんとかしてあげたい)

思考が袋小路に阻まれてぐるぐるする。
/ 45ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp