第2章 〈リクエスト〉青色はコブシの恋【黒バス 青峰 ラブラブ】
テーブルにはもやしのコンソメ醤油スープと温野菜のサラダ、テリヤキ丼、余ったお野菜とお肉で作った野菜炒め(ダイキ君の分だけ)、常備菜の煮物、お浸し、浅漬け。
なんだかとっても庶民的で高校生らしくないけれど仕方ない。
だってお洒落な洋食とか作れないもん。
「ご、ごめんね…すごい…茶色なかんじで」
改めてみたらめちゃくちゃ恥ずかしくなってきた。
普通こういう時女の子ってどんなもの作るのが正解なの~?!
(簡単にパスタとかに逃げれば良かった…)
はしゃぎ過ぎた自分を今更後悔中。
チラリと見上げれば、びっくりするくらいの全開の笑顔。
「んなことねーよ!めちゃくちゃうまそーじゃねーか。早くくおーぜ!」
そう言いながら席についていただきますも言わずに食べ始める。
そんな姿に胸がキュンとする私は病気かもしれない。
くすぐったい気持ちでご飯を食べ始める。
「いただきます」
「おかわり!」
「!」
一口口に入れたら目の前に丼が突き出された。
嬉しいんだけどなんだか素直に喜べないかもしれない。
念の為おかわり様にお肉を少しだけ取っておいたので、盛り付けて渡す。
「……一緒に住んだらこんな感じなのかなぁ…?」
無意識で零れた自分の言葉に一瞬動きが止まる。
血が顔に集まるのがわかる。
チラリとダイキ君を見やればニンマリとからかうような悪い顔。
「なんだよオレとずっと一緒に居たいわけ?愛されてんな~オレ」
笑いながら温野菜を口に入れる。
そんな姿にもドキドキする自分がいて、恥ずかしいのに幸せだ。
真っ赤になった顔を抑えながら舌を出す。
変な固さが取れて、ダイキ君への態度も自然になった気がする。
ゆっくりご飯を食べながら会話が弾む。
この時間がずっと続けば良いのに、と願わずにはいられない。
「な、この後一緒に風呂、入らねー?」
「!!」
相変わらずダイキ君にはドキドキされっぱなしなんだけどね。
end.