第2章 〈リクエスト〉青色はコブシの恋【黒バス 青峰 ラブラブ】
「きゃああぁっ!ダイキ君危ないっ危ないよぉっ!」
慌てて持っていた包丁を遠くに置く。
ダイキ君が戻って来てからご飯を作ることにしたのだけれど…
ダイキ君は台所に入ってきて抱きついてきたり、つまみ食いしたり。
危ないにも程がある。
今もぴったりと引っ付かれて身動きが取れない。
そして、いきなりの密着度に心臓が壊れそうなくらいフル稼働している。
「なーもう飯とか後でもいーじゃん」
「下ごしらえだけでもしとかないとお腹空いた時にいっぱい待たなきゃだよ?待つの嫌でしょ?」
宥める様に言って、なんとか腕からすり抜ける。
卵とインゲンをサッと茹でて、豆腐の水切りをする。
中途半端だったキャベツの千切りの続きに入る。
「すげーな」
「?」
あきらめたのかダイニングの椅子に逆向きで座ったダイキ君が溜め息混じりにこぼす。
手を止めて振り返ると、満面の笑顔。
「手際良過ぎじゃねー?めっちゃすげー」
「普段から作ってるからねー」
笑いながら手元の作業に戻る。
───ぴら。
スカートが──めくられた。
「───っきゃあああぁぁっ!!あああ青峰君っ!何してるの!!」
慌ててスカートを押さえても後の祭り。
ばっちり中は見られている。
涙目で睨むと、涼しい顔でそっぽを向く。
「スカート捲り。んでもって名前ー下の名前で呼ぶってゆったろー?」
全く反省していないのが見て取れる。