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夜の詰め合わせ。【裏SS】

第2章 〈リクエスト〉青色はコブシの恋【黒バス 青峰 ラブラブ】


私が驚くのが楽しいと言わんばかりの笑顔で抱きしめてきた。
そのまま唇を割って舌が入ってきた。
口内を這う舌の感触に、ぞくりとする。

「…んぅ……っ」

背中を撫でられて思わず声が上がる。
ちゅっとリップ音をたてて唇を離すとダイキ君は耳打ちしてきた。

「なあ、親って何時に帰ってくんの?」
「!」
「オレ今日ちょっと我慢出来ねーかんじ」

そう言いながら鼻先を首に摺り寄せてくる。
少しくすぐったい。
でも、言葉の意味が理解できて返答に困る。

「………」
「え?何?わりぃ聞き取れねー」
「お母さんは……や、夜勤だから、今日は帰ってこない…よ」

遠まわしに了承しているようにしか思えない自分の発言に恥ずかしくなる。
顔を覗き込んでくるダイキ君の目が見れない。
明後日の方向に顔を向ける。

「親父さんは?」
「家、母子家庭…だから…っ」

お医者さんだったらしいお父さんは、私が小さい頃に事故で亡くなったらしい。
そして少なくとも今日は家族が帰ってこないとダイキ君に伝えてしまった。
覚悟を───決めた。

「マジで?じゃあ今日泊まってっても大丈夫じゃね?」
「…うん。多分…朝早めに家を出たら大丈夫だと思う」
「おっし!じゃあ決定だな!ちょっとオレ着替え取って来るわ」

言うが早いかサッと立ち上がって走って出て行ってしまった。
一人取り残された私はまだ現実が飲み込めていないようで、長い間ぼんやりとダイキ君が出て行ったドアを眺めていた。
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