第2章 〈リクエスト〉青色はコブシの恋【黒バス 青峰 ラブラブ】
コートの横で真剣にメモを取る桃井さん。
その横にしゃがみこんでいるダイキ君。
ただの幼なじみには全然見えない。
ものすごくお似合いで、胸が痛い。
最後の角を曲がった所で途切れ途切れに会話が聞こえてくる。
「オイ、さつき聞いてんのか?」
「聞いてるよー?彼女が好きすぎてどうしよう、てことでしょ?」
「お、おぉ確かに要約すっとそうなんだけどよぉ…」
(わ、わたしの話?!)
慌ててボールカゴの横に身を隠す。
「は料理上手でなー、今日だって俺のために蜂蜜レモン作ってくんだって」
「それって私に対する当て付け~?」
「ばっかちげーよはすげーだろって話してんじゃん」
恥ずかしくて出るに出られない。
そしてすごくすごく嬉しい。
涙が勝手にぼろぼろこぼれてくる──
──バンッ!!
急に目の前にボールが飛んできた。
壁に当たって派手な音を立てる。
1人の部員がボールを拾いに走ってくる。
…そして私を見てぎょっとした。
「な、なんで泣いてんすかっ!ボールあたりましたか?!」
その声にみんながこちらを振り向く。
勿論すぐ近くにいたダイキ君と桃井さんも例外ではない。