第2章 降り立った地上は
アレだ、山賊だよこれきっと
右から二番目のあの人、明らかな眼帯してるし
「おい、お前さっき空から降ってきた奴か?」
「は・・はぁ、そうです」
「何者だ?」
「・・・えーっと、・・人間、です」
もしこの相手が人間以外の種族なら、この答えでは食べられていたかもしれない
運よく人間だった彼らはからかう様に手を打ったり口笛を鳴らしている
「そうじゃねーよ!まぁいい、お前どっかの貴族のお抱えか何かか?変な恰好しやがって」
そういえば外着のままだった。
折角なら恰好もこの世界風に変えてもらうんだった
「あの、私」
説明しようとしてさえぎられる
「わたし、だってよ」
同時に周囲の奴らも一斉に沸く
何がおかしーんだよ
「女みてーなフリしやがって!」
女だよ!
そう突っ込みたいが恐くてできない
「そうかお前、貴族の趣味で女装してんのか?面白い、俺たちがちょっと遊んでやるよ!」
ヘンな誤解を生みつつ抱いた危機感の流れは合っていた
さらに数歩後ずさろうとした瞬間数人が私の背後に回る
「逃げないの?掴まっちゃうよ~!」
下品な笑い声をあげながら囃し立てて来る
そのまま距離を詰められ、後ろから羽交い絞めにされる
「オラッ、抵抗してみろよ!もっと楽しませろよ」
正面の一人に乱暴に服を引っ張られ、そのまま態勢を崩す
仰向けに倒れた私の上に、一人が馬乗りになる
「やだっ!!やめてよッ!!!」
「うるせぇッ!」
大ぶりな掌で頬を打たれる
瞬間、身体は恐怖に支配され、声すら出せなくなってしまった
さっき抵抗してみろって言ったくせに。理不尽だよ。
多分この後
犯られて、さらに後に殺られる。
もうバッドエンドしか見えない
助けて・・・!