第9章 多分、これが次の章ってやつ?
こうしてやや手狭になった船内。
「それじゃ、離陸するんで!目的地、ソイル・シーモンド!」
フィルさんが手短に皆に声を掛け、再び浮遊感に襲われる。
ん?なんかその国名、ダリさんから聞いた気がする。
またも増えた疑問符を喉の奥に押し込み、とりあえずは大人しく座っておくことにした。
暫くして落ち着いた後に、一番に口を開いたのはミストさんだった。
「さて。アリーチェ 、君に色々と説明しておかないとならないようだね」
「もう、どこから聞いたらいいのかさっぱりです」
「それじゃあ今回の君の誘拐について。これを思いついたのは、クライブだ」
「はぁ!?」
思わず向かいに座っているクライブさんを見ると、彼は少し俯き「・・・すまない」と、呟くだけだった。
いや・・・全然説明になってないよ・・・
「全く・・・ほら、君が仕掛けた事なのだろう?ちゃんと説明したまえ」
クライブさんは軽く咳払いをした後、順を追って出来事を説明し始めた。