第9章 多分、これが次の章ってやつ?
「は!?な、なんでここにっ!?な、なんで!?どうして!?」
船が陸上に着地したとほぼ同時に私は二人の元へ駆け寄った。
息を切らしながら「なんで」「どうして」を繰り返す私に苦笑するクライブさんとステア。
聞きたい事だらけで何から問いただして良いのか判らない。
「まぁ、落ち着きたまえ。今は二人を乗せてから。続きは道中、時間を掛ければ良い」
後ろからミストさんの声が掛かる。きっと彼も目の前の2人と同じような顔をしているに違いない。
渦中の中心人物であるはずの私が置いてけぼりにされてポカンとしていると、
ステアが馬の轡を取り外して野に放っていた。
え、移動手段手放しちゃっていいの・・・?
あ、この二人も船に乗るからいいのか。
ん?それだと帰って来られなくなるんじゃ・・・?
「ほら、行くぞ、アリーチェ」
「は、はい!」
促して来たクライブさんにも言いたい事が山ほどある。けど離陸するまで少し我慢。