第7章 小さく灯る1ルクス
ある日いきなり女性が消えて、
その後国ごと証拠隠滅・・・
ぜってぇ怪しい
さすがに記憶から消えてゆくのは人の力じゃどうにもならないとは思うけど。
それでもこの国が何かを隠しているのは明らかだ。
あー。わからん!
謎解き脱出ゲームじゃないんだから、元の世界に帰りたい。
でも出来るなら案外優しいこの看守の人生に幸あれ!
その夜、夕食を下げに来た看守の様子がいつもと違った。
「・・・国王様がお帰りになられた」
この一言がどういう意味なのかは言うまでもない。
タイムリミット。
看守の後ろにやっぱりアイツ。
「牢屋生活も今夜でお終いです。銀の乙女。明日は遂に王とのご対面ですよ」
ほらぁ来た司教。
「明日一番に湯浴みをしていただきます。それから香を焚いて着替え、ご対面の儀。それから貴方が真に女性であるかの審議の儀礼ですよ。心配はいりません、審議の儀礼は王や大臣ならびに爵位のある者達、私ども教会の者と近衛兵、騎士団等・・・100人を下回る規模での物ですから恥ずかしがる事はありません」
ややや、多いよ!
そんな所で御開帳!?冗談じゃない!
「長い間大変だったな。と、こんな口聞いちゃいけねぇな。お妃様」
くっそ、看守お前何ちょっと感慨にふけってるんだよ