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異次元ひねくれライフ

第7章 小さく灯る1ルクス


食事が運ばれてきたトレーにそれを忍ばせ、私は隅にうずくまる事にした。


他にやる事ないし、牢の中でストレッチとかそういう気分でもないし、むしろそれ見つかったらふざけてるのかと思われかねない



膝を抱えたまま
いつの間にか私は小さく歌を口ずさんでいた。



曲に合わせてゆっくり身体を揺らし、
まるで私自身をあやすかのように。



この世界に来てから、助けてくれた人は沢山いるけど、どうしても私は異世界の人間で、独りだ。



暗闇の中の小さな灯が、余計に心を寂しくする。



結局、生きる世界が違ったって、独りじゃんよ・・・



私は自分の内側に潜り込むことに没頭してしまっていたので扉が鈍い音を立てるまで、看守がこちらに向かって来る事にすら気づかなかった。



看守が入って来ると同時に私は思わず歌を止めてしまった。



その後すぐに、直前まで聞かれていたかもしれない事に恥ずかしくなったけど、



向こうは特に気にしていないようで、トレーを小窓から引き寄せ、ランタンと共にすぐに引き上げてしまった。




再び暗闇と同居する事、およそ数時間。




多分、この世界で一番孤独な時間だったんじゃないかと思う。




不意に、またあの看守がやって来た。

多分私の存在自体をあまり外に公表できないから

おそらく看守はこの人だけなんだろう。



「お前、何者なんだ?」



床に再びランタンを置き、口を開く。


あまりに唐突だったから「にん、人間です」とか間抜けに答えてしまったけど。




「あの司教様がこんな厳重に監禁する割に尋問も拷問もない。お前、何の罪を犯したんだ?」




「や、罪っていうか・・・」



自分はこの世界の人間ではない事、
女性である事、
逃げようとしたのでここに入れられた事、
王様と結婚させられるらしい事、



順番はめちゃくちゃだったけど、孤独から逃れるかのように私の口は回りまくった。
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