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異次元ひねくれライフ

第7章 小さく灯る1ルクス


小さなロウソクの明かりすら眩しく感じる。


ランタンと、鈍い色のトレーを持った看守が近づいて来る。
牢の隅の小さな扉を鍵で開け、トレーを差し入れる




トレーの中には、意外にも豪華な食事。




衛生面はともかく、健康面だけは損なわせない為だろう。



うっすら湯気が立ち込める食事を前に、私のお腹が鳴る


牢の食事差し込み口に再び鍵をかけた看守は無言のままランタンを持って出ようとする。




「あ、待って!」



せめて食事の間だけでも明かりを、と言う前に看守はこちらを睨み付ける



そして少しの間があった後、牢から離れた場所にランタンを無造作に置き、扉の向こうへ行ってしまった。



こ、恐かった・・・けど、実はいい人なんじゃ・・・?




出された食事を全て平らげ、せめて看守が下げやすいように小窓の所へ寄せる



ランタンが灯っているうちに、ノートを開いて眠る前の出来事をざっと記録する。



その途中で、ふと思いついた



さっきの看守にお礼がしたい。
だけど、きっと私の声は無視しろとか命じられてると思うから、しっかり感謝を伝えられなさそう。




ノートあんじゃん!




これにお礼を・・・ってダメだ
これに書いても読めないんだっけ。



かと言って他に紙とかもらえるはずないし・・・



あ!絵ならどうだろう!?



絵は決してうまくないけど、これなら伝わるかな?

ページは限られてる大事なノートではあるけど、
私を気にして大事な言いつけを破ってくれたんだもん。

私だってノートくらい破るわ




少し悩んで、私の似顔絵と看守の絵
って言っても、向こうは甲冑にヘルメットだから人相もへったくれもないけど。
それと火のついたランタンを描いて、
最後に上のあたりにスマイルマークを描くことにした。



ハートだと、別の誤解を招きかねないしね
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