第7章 小さく灯る1ルクス
結局猿轡は免れた。
それは言葉のアヤです挑発してすみませんでした、と素直にあやまってなんとか取り下げてもらえた。
「王が帰ってくるまでここから出しませんよ」
「・・・わかってます!でも、一つお願いがあるんですけど」
「なんですか?」
「ステアの事。私が一方的に助けを求めただけだから、ステアは悪くない。だから・・・」
「罰を与えるな、と?」
「それと、従者達も」
「彼らも?」
「あの子たちは私に騙されて私を逃がしてしまっただけだから・・・」
「・・・わかりましたよ。貴女の懐の深さに免じて、全員お咎めは無しにしましょう」
「じゃあさらに免じてここから私を」
「今の取り消します?」
「・・・すみません」
「私は時々様子を見に来ます。おかしな真似はなさらぬように」
そう言い残し、彼は去ってゆく
冷たい床の上で私は膝を抱える。
このままクライブさんやステアとはもう会えないのかな
このままこの国から出られないのかな、
このまま元の世界に戻れないのかな、
このまま・・・・
考え込むうちに眠ってしまっていた。
牢の中は相変わらず暗くて、日付も時間もまるでわからない。