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異次元ひねくれライフ

第1章 テロみたいなプロローグ


「え、なに!?うわっ!!」


そのままシャボン玉は宙に浮き、さっきまで立っていた空間が歪んだ穴になっている。

「はい、行ってらっしゃーい」


少年が親指を逆さに立てた瞬間、シャボン玉ごと落下する


「うぉあっ!?」


情けない声をあげ落ちてゆく私を見下ろす少年が笑っていた・・・様に見えた


光に包まれた私の身体は気が遠くなる程の速度で虹色の空間を駆け抜ける


落下の恐怖に耐えかねて私は目を閉じる


「だめ!恐い!!!!」


その瞬間、ぴたりと止まった気がした。


おそるおそる目を開けてみると、足元には夜の森が広がっていた


そのまま体がゆっくり降りていく。


自分の手足を確認してみる。



相変わらず虹色のシャボンに包まれている



空飛んでる!?


いや、ゆっくり落ちてるような?

さっきのは夢で、実は私死んじゃった?



疑問符だらけの私にかまわず、地上はどんどん近づいてくる


「そうだー、忘れてた」


頭の中で声がする。さっきの少年の声だ。

「この世界でのあんたの名前、決めなよ」

「え?」

「あんたの名前はこの世界ではちょっと異質だからね」

「どんな名前にしたらいい?」

「なんか適当にボブとかサムとかでいいんじゃない」

「や、それは・・あんまりでしょ」

「大好きなゲームの世界だと思ってさ、ありえないのにしようよ」

「うーん・・・」

少し考えて私は自分の名前を決めた。

「じゃあ、アリーチェっていうのはどう?」

「あーいいんじゃない?」

即答。

ちょっと真剣に考えたのに。

一々いい加減なコイツに腹が立つ


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