第4章 しょっぱい乙女、爆誕
お勉強会を始めてすぐに、何故ダリさんはステアを呼んだのかがわかった
「これから社会のお勉強を始めますよ。早速問題。この国の王様の名前は?」
「はーい!」
「はい、じゃあステア君」
「王様の名前はフォルグ=ロクスタ=エアフルト18世です」
「はい、では王様の目下の悩みは?」
「世継ぎが居ない事です!」
「はい正解。じゃあこの国の主な産業は?」
「武具と、それからえーっと・・・」
「農産ですよ。主に穀物」
「あ、そうでした」
こんな感じでダリさんがステアに質問を投げ、ステアが答えて行く形で授業が進む。
一対一で説明されるよりもずっと判りやすいし、質問しやすい。
時折ステアが答えられない部分はダリさんが補足していく
二人のお陰で、私はこの世界に一歩馴染むことが出来たような気がする
こうして午後の時間はあっという間に過ぎ、気が付くと陽は橙色に傾いていた
「じゃあ、今日はとりあえずここまで。明日もお勉強しましょう」
「僕も楽しかったよアリーチェ!」
「ステア、ありがとうね、折角修行してたのに。後で怒られない?」
「そこは私が巧く言っておきますから」
「ダリさん、さすが。また明日もお願いします!」
「明日は教科を変えましょうか。では、また」
重い本を半分持ち、ダリさんと一緒に退出するステア。一気に部屋が静かになる。
椅子に座り直し、大きく伸びをする。
さっき学んだ事で大切そうな事を書いておこうと、ベッド脇のトランクから早速ノートとペンを取り出す。
正直中身が筆記用具だけだと知り、「これだけかよ」って思った。
でも、折角だから活用しないと。
覚え書きは大事だしね。
それに、あった出来事を文字に残・・・・・んん!?
私、なんでさっき普通にダリさんの本読めた?
つうか、なんでこの世界の人と普通に会話してんの?