第4章 しょっぱい乙女、爆誕
文字が異なるって事は当然言語も違うはずだ。
異世界というなら尚更だ
「お答えしましょう!」
閉まっていたはずの窓から、従者の恰好のままのルイ君が入り込んで来る
ここ、多分4階くらいだよ???どうやって入ってきてんのそれ??
「ルイ君、毎回タイミングが良すぎるよ。で、どういう事?」
「あんたのアバターを変えた際に、使用可能な言語も設定しておいたんだよ」
「設定って・・・」
「そこは気にしないで。まぁそういうわけであんたはこの世界の文字が読み書きできる。で、このノートなんだけど」
「このノートに名前書いたら死ぬ?」
「あんた・・・本当にアレだな。バカだな。そんな非現実的な事ありえないよ」
「いやいやいや、今私が置かれてる状況も十分非現実的だよ」
「そう言やそうか。ははっ。まぁいいや、このノートに何か文字かいてみてよ」
訳がわからないけど、とりあえずノートの隅に「あ」と書いてみる
何も起きない。
「このノート自体に不思議があるわけじゃないんだよ。あんたが今書いた文字、ここの人に読めると思う?」
私がこの国の文字を読めたのはルイ君の変換機能のお陰だから読める。けど、逆か
「もしかして、この世界の人には読めない?」
「そういう事。じゃ、うまく活用してね」
入ってきた窓からヒョイと飛び出して行くルイ君
「え、あ、ありがとう!」
慌てて窓から見下ろしても、もちろんもう影は無かった。
ノートついでに私の部屋の机の上にあったはずの睡眠薬、持ってきてくれたら良かったのに。
あれが無いと今夜も眠れないんじゃないかとずっと気になってる。
図々しい独り言を心で呟きながら早速私はルイ君からもらったノートを開いた
夕食の時間まであと少し。さっき学んだ事、今のうちに少しでも書いてみようかな
ついでに名前とか地名を覚えるのが苦手だから覚え書きと一緒に名前とかも書き残そう。
王様の名前とか絶対大事じゃん
この国にテストっていう物があれば絶対出てるレベルじゃん
万が一誰かにこれを見られても、解読される恐れがないなら、ついでに色々書いておこうっと。
他に活用法が見つからないけど、毎日の日課にしておこう。
あらかたノートに書き写したところでタイムアップ。
夕食が運ばれるノックが私のお腹を鳴らした