第4章 しょっぱい乙女、爆誕
「えー。袖、65.0、肩幅35.2・・・・・・・」
身体の隅々まで巻き尺があてられ、
読み上げられていく
私の衣類のための採寸。
お風呂から上がったくつろぎモードの私に待ち受けていたのは巻き尺地獄。
全裸はどうしても嫌だったので、ネグリジェの様な物の上からの採寸してもらったんだけど
素材が薄いので結構正確に測られる。
しかも一字一句漏らさないように書記付き。
これ、下手したらこの世界に一生残るんじゃ・・・
「奇跡の銀の乙女、スリーサイズは以下に記す」みたいな。
地味にイヤだ。
さっさと終わらせてもらいたいので、じっと動かず我慢する
女性が居なくなったとはいえ、それぞれの家や、教会、服屋さんに保管されたままの女性物の服があるはず。
それを着るので新しく作る必要は無いと言ってはみたけど、それは後々考えるとして、謁見用や何かの催しの際ににはちゃんとした物が必要みたい。
その後好みの色やドレスの形状、柄、さらには好みのレース、フリル、留め具、その他の装飾の類を聞かれる。
とは言っても、全然わかんないのでほとんどお任せ状態。
過剰な肌の露出は嫌なのはちゃんと言っておいた。
ん?
従者がひしめき合う中に、一人妙なのがいる。
水色の髪の毛。
従者の服を着つつ下を向いて肩を震わせて笑っている
あ。
ルイ君!
おまっ、いつからそこで従者のフリなんか・・・!
ふと目が合うと、さもおかしそうに目の端を綻ばせている
「ちょっとっ、アンタっ・・!」
言いかけた瞬間、スッと消えてしまった。
他の従者に、水色の髪の子について聞いてみたけど、誰も見ていないという