第4章 しょっぱい乙女、爆誕
「あ、ありがとうございます」
「先ず、湯浴みの準備をさせますから身体を清めなさい。
その後に服を誂えるために採寸をします。そのあたりが終わったら、貴女の言うとおりに致しましょう」
司教様が続ける
「貴女の生活に必要な付き人を10名程用意致しました」
そんなに要らないよね!!
つうか、皆男でしょ?そんな奴らに世話されたくない!
もうすこし柔らかくそれを伝えると、司教様はこう答えた
「教会専任の従者をお付けしましょう。彼らは性を心身共に閉ざし、神に身を捧げると誓った者達です。心配はいりません」
心身共に男性であることを閉ざす・・・?
なにそれ、つまり・・・・
いや、何か色々聞きたくない
結局、世話係は半分に減らしてもらう事にした。
それでも多いと思うんだけどね・・・
司教様に呼ばれ、ステアとそう変わらないくらいの少年たちが音もなく入って来る
「彼らは神の子。今日から貴女専任の世話係です。皆、アリーチェ様に無礼の無いようよく尽くしなさい」
シンプルな白い祭服の様な物の上に皆同じ刺しゅう入りのガウンを羽織っている。
数名並んだその光景は聖歌隊の様だ。
「えぇと、よろしくお願いします」
「お願いします」
寸分の狂いもなく揃った返事に戸惑う
「彼らは今から貴女の世話係。彼らに命じれば大抵の事はこなします」
「正直、世話係と言われてもピンと来ないんですけど・・」
「お目覚めの紅茶から、お部屋のお掃除にお暇な時の音楽の演奏、お着換えのお手伝いに詩の朗読、湯浴みの際の清拭等、これらは最低限。他にもございますよ」
その中でもお願いできそうなのはお部屋の掃除くらいだよ。
他、いるの!?
というか、この世界の身分の高い人達なんかはこれがあたりまえなんだろうか!?
「ではお前達、早速アリーチェ様を湯浴みにお連れなさい」
「かしこまりました」
多少の動揺はあるものの、昨日から小汚いままの私にお風呂は有り難かった。
少年使用人部隊に連れられながら、私は浴室へ向かった。