第3章 絶滅危惧種
うぉう、リアルマリア様!
「私はこの国の司教。アリーチェ、貴方は異次元からやってきた女性というのは本当ですか?」
「はい。・・・信じてもらえないかもしれないけど」
「いいえ、貴女を信じましょう。貴方のその存在はこの国、いえ、この世界を変えるものであるに違いありません」
「どういう事ですか?」
「そこの騎士に事情を聞かされていないのですね。では私が説明します。この世界は、女性が絶滅してしまった世界なのです」
はい?
「いいですか。今から・・もう5年になるでしょうか。ある日突然、国中、いえ世界中の女性が忽然と姿を消してしまったのです」
「なんで!?」
「原因は今でも判りません。母や妻、恋人がある日突然消えてしまい、世界は大混乱に陥りました」
「嘘でしょ?」
司教は苦笑しながら続けた。
「まぁ、聞いて下さい。最初は混乱していた世の中ですが、次第に『女性など伝説上の生き物だ』というある種の諦めが蔓延しはじめました。妻がいる者も、恋人がいる者も、その事自体を忘れてしまうようになってしまったのです。男色に走る物も多く見られるようになりました」
うわぁ・・
さっきの山賊同士でのコトを想像してしまい、嫌な気分になる
「それだけならまだいいのですが、以来この世界では人間が誕生しなくなりました。このままでは確実に世界が破滅してしまいます」
ここまで聞いて、私の目の前の矛盾に突っ込めないはずがない
「でも、しきょうさま?は女じゃ・・」
「もちろん女じゃありませんよ。女性への偶像崇拝の依代です」
そーッスか
「話を戻しましょう。そんな折、貴女がこの世界に舞い降りてきたことはおそらく何か意味を成すのでしょう」
「私、なにすればいいんですか?」