第3章 絶滅危惧種
「クライブさん!司教様が教会へ連れて来るように
と・・・!」
ステアが慌ただしく駆け込んで来る
「わかった。アリーチェ様、こちらへついて来てください。
ステア、教会までの人払いを頼む」
「はいっ!」
次は人払い・・・もしや、私何らかの病気に感染したんじゃ・・!?
教会、祈祷師、病気祓い、ペスト、火あぶり・・
憂鬱な連想ゲームはまた火あぶりに辿り着いてしまった
「こちらへ来なさい」
がらんとした教会の中で声が響く。
威厳たっぷりの、中性的な声に思わず背筋がピンとなる
大きなステンドガラス。
ゆらめく蝋燭。
祭壇の向こうの声の主。
うわぁ、ラスボスっぽい。
と思ったけど、口には出さずにいた
クライブさんがいくつかステアに耳打ちをし、ステアはそのままどこかに走り去る。
私が歩みを進めると、クライブさんの手により教会の扉が閉められ内側から鍵をかけられる
これヤバいやつじゃん・・・!
心臓が乱暴に脈拍を打つ
「もっとこちらへ。アリーチェ」
声の主に促され、慎重に進む
蝋燭の逆光で見えなかった声の主がうっすら見えて来る
司教と呼ばれたその人は
長いベールから、さらに長い黒髪を垂らし
慈しむように微笑んでいた