第3章 絶滅危惧種
慌ただしく裏口から城内に入り、誰もいない応接間に通される
「ステア、アリーチェ様は私が見張っておく。お前は急いで司教様をお呼びするのだ!」
「はいっ!」
「アリーチェ様、もうしばらくのご辛抱を・・・」
もしかして知らない内に謎のタブーを犯してるとか?
そうだったら私、牢屋行き?
それとも・・・
尋問、拷問、魔女裁判、火あぶり
物騒な言葉の連鎖が頭のなかでぐるぐるする
「あのー。私・・・なんかしましたか?」
おそるおそる口に出してみる
「滅相もない!そうだアリーチェ様、お怪我はありません・・・どうされました、そのお顔!?」
言われて顔を触ってみる
片方の頬が赤く熱を持っている
「あ、さっきの山賊?みたいな人に叩かれました」
「何という事だ。今晩中に夜警を増員し、全員捕えてで縛り首に致しましょう」
ややややや、物騒。物騒だよ。
確かに危なかったけど、いきなり死刑はどうなのよ。
それにしても、クライブさんの変貌ぶりは一体なんなのか。
先程は鼻で笑ったり、もうちょっと荒い言葉遣いだったのに
それに、今物理的にも距離を置かれている
折角ちょっとフレンドリーだったのに、少しさびしい気がする