第2章 降り立った地上は
背中に負われながら、お互い状況を説明する。
彼らサイドの視点だとこうなるらしい。
新月の暗闇の中に虹色の眩しい球体が空から下りて来たので
警戒して調査に来たそうだ。
すると人が襲われているので、助けた、と
。
ついでにそれが怪しい見た目だから、どこの国の者かとか、
虹色の玉との関係、もし関係ありならその原理を知りたいので捕獲、との事。
「あ、でも手荒な事はしないから、安心して!」
小走りで横にステアがぴったりついてくる
「あのー。これから私は何処へ連れて行かれるんでしょうか?」
「城だ」
「どこの?」
「エアフルトの城だ」
「さっぱりわかりません」
「まさか。この領地において知らん事は無いだろう」
「信じてもらえるかどうかわかりませんが」
そう前置きして、数時間前に起きた出来事を説明する
全っ然、むしろ次元すら違う世界に普通に暮らしてた事、
いきなり変な少年に連れて来られた事。
虹色の玉はその少年の力って事、
ついでに、私の世界には魔法なんて存在しない事。
つまり、この世界には今しがた初めて入ったので城とか領地とか知らない事。
「・・・全然わからん!」
クライブさんが声を荒げる
そりゃーそうですよね。
「もしそれ全部本当なら、納得の恰好してるよね」
横からステアが私を指さす。
「すごい色の髪の毛だね・・・部分的に染めるとかはあるけど、そんな頭の人いないよ」
なんだって!?!?!?
ルイ君にはめられたッ!!
「僕の事ヘンな付け方した名前で呼ぶからだよ」
即座に頭の中にルイ君の声が聞こえる。
っざけんなっ!
空に向かって私は大きく中指を立てる