第2章 降り立った地上は
そのまま山賊は落とした私も構わずに散り散りになって去って行った。
それほどまでに夜警というのは恐ろしいらしい。
「ふぅっ・・・・大丈夫?」
外套の男はフードを脱ぎながらこちらへ近づいてくる。
ん?
あれ?
近づいてくる身長が小さい。私より若干高いかそれくらいだ
「あ・・ありがとう・・ございます」
「怪我はない?どうしてこんな所にいるの?」
ランタンの明かりがお互いの顔を照らした。
助けてくれたのは、男、というより・・・少年。
栗色の短い髪の毛に、同じ色の瞳。
にこりと私に笑いかけると、言葉をつづける
「えっと、君さっき空から来たひと、だよね?」
君もか。つうか結構見られてたのね
「色々聞きたいんだけど、とりあえず夜の森は危ないから」
そういって立ち上がり、ランタンを振り回す。
「クライブさん、居ましたよー!」
「無事だったか!?」
長身に、逞しい剣を携えてクライブさんとやらがこちらへ来た。
「クライブさん遅いよ。僕が山賊を追い払ったんだよ!」
「すまない」
「えーっと・・・さっき、「お主ら」とか言ってなかったっけ」
場について行けずに発した言葉は少年に場違いすぎる私の突っ込み。
「ああ、いや、あの子供だと思ってナメられたらいけないと思って・・」
恥ずかし気に下を向く。
「お前、またやったのか」
クライブさんが少年に苦笑する
「でも、今回はお前のその機転に助けられたな」
そう言いながら少年の頭をワシワシなでる
「・・・さて、ここに長居は無用だ。立てるか?」
そう聞かれて、私は身体が震えていることに気が付いた
「あ・・だいじょ・・あ、やっぱ立てない、かも」
膝ががくがくして力が入らない
「やっぱ恐かったよね?もう大丈夫だから」
少年が手を差し伸べてくれる
「あ、僕の名前はステア。一応、魔法使い!で、この騎士は」
「クライブだ。俺におぶされ」
不愛想な騎士に背負われる
歩みが始まった所で、私には一つ心配な点が出来た
この二人も、山賊の類だったら・・・・?
ヤバいんでないかしら!?