第2章 降り立った地上は
「そうだ、君名前は?」
ステアに言われて我に帰る
「えっと、アリーチェ」
「嘘でしょ?」
ステアに即答される
え、変な名前だった???
「まるで女みたいな名前だな。その服も。単なる女装の狂人の可能性が高いな」
クライブさんが鼻で笑う
一体ここの世界の人はなんだってさっきから私の事を女装だの何だの・・・
「あのねぇ!こう見えても女だし!」
途端、硬直する2人
歩みを止め、クライブさんが私を地面に降ろす
え、なに、何か文句あるわけ!?
「・・・それ以上は詐称罪にあたるぞ」
訳が分からない
「なんですか、女だと不都合でもあるんですか?」
「もう一度だけ訊く。お前は女なのか」
両肩を掴まれ、真っ直ぐ睨み付けられる
「そうですってば!」
途端にクライブさんの目に動揺が宿る
「ほ、本当・・・?」
ステアまで目を丸くしている
「・・・これは大変な事が起きたな・・・」
「クライブさんどうしよう・・・」
ぶつぶつと相談する2人
突然クライブさんが私の前に跪く。
「アリーチェ様、此度はとんでもない非礼を働いてしまったことをお許しください」
「アリーチェ様、ごめんなさいっ!」
ステアまでもが頭を下げて来る
「え、急になにごとですか」
「事情は安全な城内についてから説明させて頂きます故、ここは不肖ながらわたくしがお運び致します」
「クライブさん、おんぶはまずいんじゃ・・・!」
「しかしステア、それはいくらなんでも」
またふたりでごにょごにょ
「えぇい!御免!後でいかなる罰も受けましょう!」
突然クライブさんの胸に抱えられ
お姫様抱っこのままクライブさんが走り出す。
クライブさんの顔にはハッキリ「修羅場」と書いてあった
私を抱く腕がものすごいぎこちない
オオサンショウウオでもを嫌々抱っこしているような感じ。
私・・・もしかして本当にこの世界ではオオサンショウウオ的な存在だったりして。