第6章 distance
【M】
翔と離れて、もう2週間かぁ。こんなときに限って、何故か一緒の仕事がない。相葉くんを捕まえて、色々聞き出してはいるけど…。
「会いてぇよ。俺が、悪かった。翔。翔…」
翔の服を抱き締めながら、泣くのが日課になってきた。こんなにも、翔の居ない生活が虚しいなんて…。
あ、ニノからLINEきた。
[頭は冷えましたか?]
[うん]
[そう。迎えに行く?]
[行きたい]
[わかりました。翔ちゃんに伝えてみます]
[ありがとう]
俺にしては、素直に気持ちを出してしまった。ニノ達に感謝だな。リーダーは、別として。
とりあえず、翔の実家に連絡しとくか…。
『あ、もしもし。ご無沙汰してます。松本です。翔さん、いらっしゃいますか?』
翔の母『あら?潤君!久しぶりだね~。翔?翔なら、ウチには居ないわよ?』
『あ、そうですか…』
翔の母『何?珍しく喧嘩?翔は、意固地なとこあるからねー。ごめんなさいねー。早く仲直りしてね?また、遊びに来て?』
『はい。わかりました』
翔…。実家に居るんじゃなかったのか?どこだ?まさか!リーダーのところ⁉
……いや、それは無いな。相葉くんの様子を見た限り、あそこも違うな。ニノのとこ?イヤ…。
考えが纏まらない。ん?そう言えば!岡田君が何故か、翔と距離置けって連絡してきたな…。岡田君のところか?行ってみるか…?
「迷っても仕方ない!」
自分に言い聞かせるように、独りごちた。
岡田君の家に向かう。よく、事故らないなって思うほどのスピードで、車を走らせてる。途中、何度も翔に電話をかけるけど、出ない。着信拒否には、なってない。良かった。
早く、早く会いたい!
早く!会って。抱き締めたいんだ!