第6章 distance
【S】
和「翔さん。着きましたよ」
ニノの声で、目を覚ました。車の振動と疲れからか、寝てしまったようだ。
「ん?ここ…」
ここは…。一度だけ来たことある。多分…。
和「さあ!行きましょう。ここまで来て、びびってんですか?」
「そうじゃないけど…。」
ニノに、手を引っ張られて部屋へと向かう。
和「連れて来ました。開けて下さい」
扉が開かれて、本来の住人ではない人が、顔を出してきた。
翔「…あれ?何で?」
智「いらっしゃい。待ってたよ」
ふわりッ、と笑う智くん。俺の頭の中は、ハテナが沢山飛んでいる。
ニノと智くんに、手を引っ張られてリビングに入った。
准「おっ!来たな。櫻井。今日から、暫くここに居ろ。な?」
智「ウチに来ても良かったんだけど…。それだと松潤が、怒り狂うでしょ?だから、岡田っちに頼んだの」
和「ウチか相葉さんとこでも、良かったんですよ?でも、潤君にバレた時にね。ちょっと…何をするか、解んないですから」
俺は、まだこの状況を把握出来ないでいる。
智くんにソファーに座るように、促されて。とりあえず、座った。俺の右側にニノ、左側に智くんが、座ってきた。
岡田君が、「お前ら、仲良いな」って笑ってる。
-ピンポーンッ!
モニターを確認して、智くんが迎えに行く。
雅「ちわーっす。なんとか取ってきたよ。それと、翔ちゃんの今日の荷物も。重いねー。大変だったよぉ」
「あぁ、わりぃ。ありがとうね、相葉くん」
俺のパンパンに膨らんだ鞄と、見覚えのあるキャリーバックを渡してきた。
「ウチに行ったの?…潤、どうだった?」
雅「うん。松潤ねー…、不貞腐れてた。ヒャハハ」
ハァ…。やっぱり…。
それにしても相葉くん。どうやって、潤を説得したんだろ?素直に言うこと、聞くわけないよなぁ?
准「松潤に、俺から話したよ。櫻井と暫く離れて冷静になれって。お前は、実家に居ることにしてるから。松潤が落ち着くまで、ここを自由に使ってくれ」
智「俺達もここから仕事、行くから。」
智くんに、客間に連れて行かれた。見ると、相葉くんとニノが荷ほどきしている。
本気なんだ…。