第6章 distance
【A】
リーダーは、岡田君のところにタクシーで向かった。
和「で?あなたの考えとやらを聞かせて貰いましょうか」
「あ、そうだねぇ。あのね…」
ニノは、俺の作戦を微動だにせずに聞いている。
和「まあ…。あなたにしては、いいんじゃないですか?とりあえず、私が翔ちゃんの所に行きますから」
「えぇ!俺が考えたんだよぉ?俺が、翔ちゃんの所に行きたい!」
暫く、俺が。私が。と、どちらが翔ちゃんの所に行くかで揉めた。結局、じゃんけんして。ニノが、翔ちゃんの所に行くことになった。
「もう!俺が、考えたのにぃ!…それじゃ、動くぞ」
和「そうですね。それじゃ、また後で」
ニノが、珍しく伝票を持って、去っていった。それだけ、顔には出さないけど、堪えてんのかな?
「よし!行くか」
パンパンと頬を叩いて、気合いを入れる。もう、大切な仲間の悲しい顔は、見たくないからね。頑張るぞ‼
ハンドルを握りながら、タメ息が止まらない。
目的地に着いた。事前にLINEはしたけど…、居るかな?
-ピンポーンッ
潤「今、開ける」
明らかに怒った声。うぅ~。怖い…。ま、負けないぞ!皆の為だ!
解錠された自動ドアをぬけて、家の前まで来た。動けないでいると、玄関扉が開かれて、不貞腐れた顔の松潤が出てきた。
潤「立ってないで、入れば?」
「お邪魔しまーす…」と、ゆっくり中に入った。
松潤が、リビングでソファーに足を組んで座る。
潤「…とりあえず、座れば?で、何?用件は?」
うぅ~。怖い…。
頑張れ、雅紀!翔ちゃんの笑顔を取り戻すんだ!
「あのね…」