第6章 distance
何故だか。俺の気持ちを、ニノと相葉ちゃんに話したくなって…。
「なんか…俺の後をずっとピョコピョコ付いてきてさ。最初は、小さくて可愛いな。くらいから、段々目が離せなくなって。番組収録でよく一緒になること多くなってきて。話すようになったら、雑草みたいな性格も気になってきてさ。慶應ボーイの坊っちゃんなのに、そういうの、ひけらかさないとことか。知っていく内に、好きが、増えてった」
雅「へぇ~。Jr.のオーディションの時にって…。リーダー。一途なんだあ」
和「余所見してないんですか?女とは、遊び?」
「ははっ。一応、そのときは、真剣に付き合ってたよ?ただ…。翔ちゃんは、別格というかね、う~ん。ちょっと違うんだなぁ…」
2人とも、不思議そうな顔してる。ま、こんなん、理解し難いわな。
「翔ちゃんとさ。同じグループでデビューが決まったときは、正直迷った。これ以上一緒に居たら、何するか解んなかったからさ。だから、事務所に辞めるって言ってたのに…。結局…ナアナアになったもんなー」
和「そうですね。私も辞めたかったから。気持ちは、解りますよ?」
雅「……辞めたかった訳って、そういうことだったの?イラストレーターになりたかったんじゃ…?」
「それは、表向きの理由。翔ちゃんの前で、言えるわけないじゃん」
相葉ちゃんは、「そうか、ごめん」と頭を何度も下げてくる。
和「これから、どうするんですか?」
う~ん?どうしよう?
松潤と、暫く、会いたくねえなあ…。
雅「リーダー。俺達をもっと、頼ってよ!これからも、5人でやっていきたいでしょ?俺に考えがある」
ニノと目があった。多分、同じ不安が過ったんだろう…。
雅「まあ!ど~んと、俺に任せてよ(oゝд・o)」
すごい下手なウインクをしてきた。ハハハ。
和「大野さん。私もフォローしますから」と、ニノが俺の耳もとで言ってきた。
う~ん?大丈夫か?
俺は、変に張り切っている2人を、ボーッと眺めていた。