第6章 distance
【S】
俺と潤は、8年も付き合っている。
俺が、コンサートのリハ中に、怪我をした。その時に、相葉くんと潤に身の回りの世話をしてもらった。
実家暮らしだった俺は、潤の家に泊まった。
家族に、負担かからない様にしてくれたんでしょ?この仕事は、時間が不規則だから。
相葉くんにも潤にも、感謝しかなかった。1ヶ月だけの同居だったけど、楽しくもあったんだ…。
同居生活最後の、あの日。
潤から、泣きながら告白された。びっくりしたよ。だって、潤たち3人のことは弟のように思っていたから…。
その後からだよね?潤が、俺にハッキリと態度で現すようになったのは。
毎日のように、好きって言われて。それじゃ、試しに半年だけって約束で、付き合いだしたのに…。今では、俺の方が潤を愛してるよなぁ。
潤「……翔!翔!!」
隣で寝ている潤が、うなされながら俺を呼ぶ。その声で目覚めた俺は、潤を揺り起こした。
パッと目を開けてくれた。
潤「翔と別れる夢見た。大野さんと付き合うって言ってた」
潤が泣きそうな顔で、そう言うから。不謹慎だけどさ。あー俺、愛されてるかも?って、思ったよ♪
潤「翔。疲れてる…だろうけど」
あっ、潤の目がキョロキョロしだした。これ、潤がシタい時に無意識にしてしまう癖。
全身が、アツくなる。よし!年上の俺から言おう!ものすごく恥ずかしいけど。潤が大切だから…。
「潤…。シタいの?いいよ。俺も、シタいから」
直ぐ様、潤が覆い被さってくる。
いつも何回も抱いてくれるよね?でも、何で?潤が、ここに居ないように感じてしまう…。
潤…。俺のこと、見てくれてる?
潤…。俺のこと、離さないで?
潤、潤。 不安で、堪らないよ…。