第3章 シグナル。
父ちゃんが、風呂からでてきた。
父「まだ、潤くんのお母さんは、迎えに来ないの?」
「一応、連絡したけど、留守電だったよ。今日は、このまま、ウチに泊まらせる?」
父ちゃんは、髪をタオルで拭きながら、『いいよ』と言う。
父「あ、和也。おかえり~」
夕メシを食べ終わって、後片付けをする和也に、ふわりと笑いかける。
和「ただいま。父ちゃん、疲れてるだろ?早く寝て?あとは、智兄とするから」
父「じゃあ、お言葉に甘えて。…おやすみ~♪」
雅「そんじゃ、翔ちゃん、潤。風呂行くか?」
二人とも、もうほとんど目が開いてない(;^∀^)
雅紀が、二人を抱えて、風呂に入って行った。
《プルルルル♪》
家電が鳴る。和也が、ソファーから立ち上がり、電話をとる。
和「はい。…はい、は?…はい。わかりました。潤くんは、ウチに泊まらせますから。はい。…では、失礼します」
「電話、誰から?」
和「舞先生。警察から、潤のお母さん、職場で刺された、って…連絡があったんだって。元旦那に。今、病院で治療してるけど…。意識がないらしいよ?とりあえず、今日は、このままで。潤には、明日話した方が良いんじゃないかって。ウチに泊まらせるから、とは言っといた」
えっ⁉さ、刺された…?何で?
「潤くんには、伝えない方が良いんじゃないか?」
和「智兄。子どもでも、こういうことは、ちゃんと伝えた方が良い。隠したって、解るもんなんだよ?」
黙り込む、俺。
刺された…この言葉がリフレインする。