第3章 シグナル。
雅「翔ちゃん!今日は、翔ちゃんの好きなオムライスだよ♪」
ソファーで、雅紀が翔を抱っこしながら、話しかけている。
《バッチ~~~ン!!!》
音がした方に、目線をやる。そこには、背中を擦りながら、蹲る雅紀の姿と…翔をギュッと抱き締める潤くん。…あちゃー、雅紀痛そう…。
潤「僕の翔くんだぞ‼手を出すな‼」
翔「潤くん…」
「…雅紀、大丈夫か?」
うぅ~、っと唸りながら、立ち上がる。そして、涙目で俺に親指をたてて、ニカッと笑う。
雅「うぅ。誰?この子?」
「翔の友達。松本潤くん、っていうんだ。お母さんが迎えに来るまで、ウチに居ることになって…」
潤「お前こそ、誰だ!僕の翔くんにベタベタするなっ‼」
潤くんが、翔を抱き締めながら、雅紀を睨み付ける。
雅「“僕の翔くん”だとぉ?許せん‼俺の可愛い翔ちゃんだ!」
雅紀が、顔を真っ赤にしながら、潤くんから翔を引き離そうとする。
「オイオイ~。雅紀。5才児相手に何やってんの?」
雅「智!これは、年なんか関係ないの!男と男の戦いだよ!ね、潤‼」
潤「そうだよ!翔くんのお兄ちゃん、横入りはダ~メ!」
二人とも…。翔を想ってくれるのは、嬉しいよ?
翔は、二人の間で目をキョロキョロしている。なんだか、ドラマみたいだな。登場人物全員、男だけど…。
あ、いかん!止めないと。あー、こんな時、和也が居てくれたらな。あいつ、頭良いから、速攻で解決してくれるのに。