第3章 シグナル。
もう夕方かぁ。夕メシの材料買わなきゃな。今日は、何にしよう?翔の好きなオムライスか?和也の好きなハンバーグか?うぅ~。迷うなあ。
スマホが着信を告げてくる。…非通知?構わず、電話に出る。
「はい。…あ、なんだ、和也か。非通知だから、誰かと思ったよ」
和「あれ?非通知?そっか…。智兄。ごめん!俺のスマホ、電池切れちゃって。友達の借りてるんだ。今日は、俺、翔のこと迎えに行けないから、お願いしていい?」
「あぁ、わかった」
和「あ、それから。雅紀が夕メシ作ってくれるって、連絡あったから」
「お、そうか。ラッキー🎵そんじゃ、和也。あんまり、遅くなるなよ?翔が寂しがるからな?」
和也は、『わかったよ!』と、言って、電話をきる。
今日は、雅紀のメシ食えるのかぁ。ふふ。楽しみ♪
雅紀は、俺たちの従兄弟だ。俺のひとつ下で、料理学校に通っている。近くに住んでいるから、ちょいちょい来ては、料理を作ってくれる。そして、旨い!
舞先生「あら?今日は、上のお兄さんなんですね。…翔くん、お迎えきたよ~」
翔は、ブランコのところで友達と遊んでいた。舞先生の呼び掛けに、満面の笑みをこぼしながら、こっちに走ってくる。
翔「今日は、智にぃにだぁ。…あのね、あのね、ブランコすっっごくいっぱいできる、なったにょ~」
「おぉ、そうか。すごいぞ、翔。それじゃ、帰るか?皆に、さよなら、しな」
翔「は~い。舞先生、さようなら。潤くん、さよなら」
翔の右手をギュッと握って、離さない子がいる。松本潤くんだ。幼稚園に入った時から、こうして、翔の側にいる。仲良しなんだよな。
舞先生「潤くん。翔くんは、帰るから、手を離してあげて?」
潤「イヤ‼」