第3章 シグナル。
朝メシの準備が終わった。大学に行く準備をして、翔を起こして。なんて、考えていたら。
和也が、先に寝室のドアを開ける。
和「智兄。翔、ベッドから布団ごと、落っこちてるよ!」
なにぃ~!
「本当に寝相悪いな、ったく!」
俺が、翔を抱え上げて、和也が布団をベッドに戻す。
翔のプニプニのほっぺを軽くつねってみるけど…。
和「…全然、起きないね(笑)」
これは、毎朝のことだから、想定内だ。そう、俺は、必殺技を持っている。
和「また、いつものするの?」
俺は、ニヤリと笑ってから…翔のパジャマのズボンを下ろした。和也に翔の両手を持ってもらい、体をぶら下げさせる。
「翔~!起きなさい~!!」
パンツの上から、お尻をペチペチと叩く。
翔の目がうっすら、開く。
翔「…ウウ…。眠い~。智にぃに、おケツ、いちゃい。やめれ~」
俺は、叩くのを止めた。和也が翔をベッドに下ろす。翔は、目をごしごししている。本当、可愛いな。寝相と寝起きが悪いのは、大変だけど。
和「翔。着替えて!幼稚園行くよ。今日は、俺が一緒だよ」
翔「本当?和にぃに、いっちょにゃにょ?」
まだ、ちゃんと目覚めてないな。呂律がいつも以上にまわってないぞ?