第13章 I'll be there
翔さんの……涙…。
どくんっ…!
胸が高鳴ったのと同時に、俺のなかでナニカがぷちっと弾けた──
「翔さん…」
ゆらりゆらりと近づいていく。
俺をじっと見ていた翔さんが瞬きをした。
つつっと涙が頬をつたっていった。
その涙を、そっと人差し指で拭う。
「翔さん…」
顎を掴んで、くいっと上を向かせた。
翔さんの眸がゆらゆらと揺れた。
翔「ま、まつじゅ…っ…んぅっ」
むちゅぅっと唇を押し付けた。
唇を舌で割り開こうとしたその時、、
翔「いやっ…っ!」
翔さんが唇を噛んできて、痛みに唇を離した。
手の甲でぐいっと唇を拭うと、少し出血していた。
翔「あ…血が…」
翔さんの右手が俺の唇に触れてきた。
その手を掴まえて、人差し指と中指を口に含んだ。
すると、口の中に広がる翔さんの味…におい…。
ずくんと下半身が疼いた。
翔「や、やだっ…!」
手を引き抜こうとするから、更に強く手を握った。
すると、翔さんの左手が俺の顔めがけて飛んでくる。
叩かれる前にその手を掴まえて、口に含んでいる指にねっとりと舌を絡ませていき…、、
「ぴちゃっ…ぴちゃっ…」
わざと音をたてるようにしていると、翔さんが目を瞑って下唇をぎゅうっと噛んだ。
翔「…っっ……っ…」
徐々に深く刻まれていく眉間のシワに、感じてくれてるんだと、楽しくなってきた。
もっと…感じさせたい…。