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コトノハ 【気象系BL短編集】

第13章 I'll be there



翔さんの部屋の前で、ふううっと大きく息を吐いた。
それから、ドアを3回ノックする。
返事はない…けど、ドアを静かに開けた。

「翔さん、入るよ?」

翔「ぁっ…ん、…に、のみやさ…っ、ん…っ」

ベッドの上の、大きなカタマリが小さく規則的に揺れている。

また、泣いてる?…のか?

「翔さん…?」

カタマリにそっと触れると、ビクッと揺れて動きがぴたりと止まった。

「翔さん…?」

もう一度呼び掛けてみるけど、聞こえてるはずなのに、反応がない。

「翔さん…?」

何で何も言ってくれないんだ?

段々イラついてきて、布団をバサッと捲って、ベッドの下に投げた。

翔「うっ、ひゃあああっ!」

「何で黙ってんだよ?!…って…あ……」

翔さんは、足首までパジャマとボクサーパンツを下げていて…自身を握っていて。
それから、目を見開いて俺を見上げてきた。

俺も、翔さんのあられもない姿に凝視してしまって。
2人して固まってしまった。


「あの…つ、続き…どうぞっ!」

この状況に気まずくなった俺は、ベッドから後ずさりながら、手で席を譲るように続きを催促した。

だってさ…途中でって…同じ男として辛いのはわかってるからさ…。

目は合ってるが、翔さんはぴくりとも動かない。

「あっ、俺…っ、寝、るわっ。じゃ、じゃあ…ねっ…っって、え?え?」

ドアノブに後ろ手で手を掛けて、部屋から出ていこうとしたとき、、

薄暗い部屋のなかでもわかるくらい、翔さんの目が潤んできた…。


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