第13章 I'll be there
風呂からあがり、いつも通り水分補給をするためにキッチンに入った。
「あ、また…」
洗ったそのままで放置された食器が目に飛び込んできた。
前に見たときに注意しとけば良かったな。
ペットボトルの水をひと口飲んで、それを持ったまま、リビングへと向かった。
ソファーで雑誌をパラパラと捲っている翔さんに、後ろから声をかけた。
「翔さん!」
翔「うおっ!びっっくりしたあ。松潤、なに?」
ビクッと肩を揺らして、俺を見上げてきた。
「前から言おうと思ってたんだけどさあ、食器を戸棚に…」
けたたましく翔さんのスマホが鳴った。
そして、俺の口元に拡げた手をかざしてきて、話を遮られた。
翔「あ、ちょっと待って…」
翔さんがスマホをタップして、話始めた。
会話の内容からして、相手はどうやら店長っぽい。
店長は、とにかくおしゃべり好きだからな。
これは、長くなりそうだ。
キッチンに戻って、食器を戸棚に仕舞ってから、まだ電話している翔さんに会釈して、ベッドに入った。
……ああーっ!
やっぱり、気になる!
食器のことを、気づいたときに言っておかないと、また同じことをするかもしれない、とモヤモヤして寝つけない。
ガバッと起き上がり、ベッドからぴょんと飛び降りた。
「よし!やっぱり言っておこう!」