第13章 I'll be there
「ったく…。どこ行ったんだよ、あいつはーっ!」
店長に買い出しを頼まれて出掛けてから、1時間以上経つ。
戻ってこないまーを店長から捜してこいと、頼まれた。
まーが買い出しの帰りに立ち寄りそうな店を捜索したが、どこにも立ち寄っていなかった。
腕時計で時間を確認すると、捜しはじめてから小一時間ほど経っていた。
あまり職場から離れてられないなと思い、一旦店に戻ることにした。
「あ?こんなとこに居たよ…。なんなんだよ、ったく」
店の裏手のごみ置き場で、束ねて積み上げられてる雑誌の上に、足を投げ出し項垂れて座っているまーを発見した。
「まー、ここにいたのか。店長が捜してるぞ」
背中に手を添えて、話しかける。
雅「…あ、松潤かあ…」
俺を見上げて笑いかけてくれるけど、どこか笑顔がぎこちない。
「どうした?」
雅「んー、何にもないよ?」
立ちあがり、お尻をパンパンと叩いてから歩き始めた。
こいつ、普段は明け透けなくせに、変なところで気を遣うんだよなあ。
今突っ込んで聞いても答えないだろうから、話してくれるまで放っておくか…。
まーの後ろ姿を眺めながら、無言でついていく。
店の勝手口の扉の前で、ぴたりと立ち止まった。
雅「ねえ松潤。俺…店辞めようかな…?」
「え?」