第13章 I'll be there
ダイニングテーブルに、朝食を並べていく。
雅「おいしそう~♪」
そう言って、白米の香りを子犬のようにすんすんと嗅ぎ始めた。
「まーは、米のにおい好きだよな」
雅「うん。だーいすき♡特に、この炊いたばかりの米のにおいってさ、たまんないよね~♪」
米のCMができるんじゃねえか、くらいの笑顔ですんすんと嗅ぎ続ける。
まーがこんだけ喜んでくれるから、朝食は白米になる率が高い。
雅「あれ?そういや、翔ちゃん遅いね。いっつも一番早く起きてるのに」
「………そう、だな?」
翔さん、泣きすぎて目が腫れてるのかな?
俺らに心配かけないために、腫れが引くまで出てこれないのかもな…?
雅「俺起こしてくるよ。今日は店で練習するって言ってたしさ」
雅紀がイスから立ち上がろうと、テーブルに手をついた。
「まー、ちょっと待って。あのさあ…」
まーに昨夜の翔さんのことを話した。
よく一緒に行動しているまーなら翔さんが泣いてた理由を、何か聞いてるかもしれないと思ったからだ。
雅「ええ⁉泣いてた?翔ちゃんが?…何でだろ?」
「まーも知らないのか…」
雅「うん。何にも、聞いてないよ?」
まーがイスに深く腰かけて、天井を仰ぎ見る。
雅「あ、俺さあ…翔ちゃんのことで気になることがあるんだよね」
「何?」
雅「最近特になんだけどね。翔ちゃん、二宮さんの話になるとキョドるんだよ。それにね、二宮さんのことを目でよく追っかけてるんだよ。もしかして…」