第13章 I'll be there
はぁ…。眠れない…。
ここ一週間ほど、身体は疲れているのに寝付きが悪い。
酒でも飲むか?
……いや、辞めとくか。
今布団から出たら、益々眠れない気がする。
周囲の音を遮断するため、布団の中に深くもぐり、右側を下にして横向きになる。
それから、背中を丸めて、太腿の間に両手を入れた。
「すうう…はあああ…」
何回か深呼吸してから、目を閉じて羊を数えてみる。
だけど、羊が100匹を超えても寝れなくて。
ああ、眠れないー!
更に身体を丸めて、ギュッと目を瞑った。
≪≪あぁあっ…はあぁ……っっ≫≫
≪≪ぁ、あぁっ…んっ、、くっ…≫≫
あ、まただ…。
耳を塞いで頭を左右に振る。
消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ…!
あの時の二宮さんの顔が、声が、仕草が、脳裏に焼きついていて…。
パチッと目を開けて、パジャマのズボンとボクサーパンツを一気に膝までずり下ろした。
慣れた手つきで自身を握りしめる。
やっぱりこれをしないと駄目か…?
ボックスティッシュを布団の中に入れて、ゆっくりと目を閉じた。
頭のなかに、あの日の二宮さんを思い浮かべていく。
≪≪あ、ぁあっ…ぃいっ…≫≫
緩慢に手を上下に動かし始める。
「ふぅっ…ぅっ、ぁ…」
二宮さん…二宮さん…二宮さん…!
徐々に手の動きを早めていった。