第13章 I'll be there
雅「ねえねえ、翔ちゃん」
ゴミ捨てから戻ってきた雅紀が、俺の対面に腰かけてきた。
俺は洗濯を終えたタオルの最後の1枚を畳んでから、雅紀に向き合った。
「なに?」
雅「ゴミ出しに行く前にさあ、向井さんから来店予約の電話があったんだけどさ。おかしいんだよ…」
雅紀が膝の上で頬杖をついて、首を傾げた。
「おかしいって?」
雅紀は、俺が畳んで積み重ねて置いたタオルを、1枚手にとって畳み直した。
雅「翔ちゃん、雑だなあ。また松潤に怒られるよ?」
「そうか?きれいに畳めたと思ったんだけどな…」
雅「『大体さあ、これのどこがきれいに畳めてるんですか?端がずれてるんですけど?翔さん、やり直してくださいね!』」
「うわっ、そっくりだ。本人かと思った!」
雅「へっへっへ。自信作だからね♪」
松潤のモノマネをしながら、次々と畳み直していく雅紀。
俺も雅紀のモノマネを聞きながら、畳み直した。
畳み直しが終わってから、話の途中だった向井さんのことについて聞いてみた。
雅「向井さんさあ。いつもは大野さんを指名するっしょ?なのにさあ、“あたし、これからは二宮さんにお願いするわ”って言うんだよ。今までさ、シャンプーでさえ大野さん以外の人にさせたこと無かったじゃん?だから、おかしいなって思ったんだ」
「ふ、ふーん…。た、しかに、おかしい、な…。何でだろうな…?」
きっと、あの時の…、、
雅紀の話を聞いて、俺は1週間前の出来事を思い出していた。