第12章 愛のかたまり
ほっぺにキスしようと、ゆっくりと近づいていった。
その時、彼の顔がぐりんとこちらを向いた。
彼からキスしてほしいと言ってきたのに、何で顔動かしたんだろ?と、思っていたら…
次の瞬間──
翔「ちゅう♡」
「ふぅえっ?!」
俺は不意打ち過ぎるキスに戸惑って、身体が鉄の棒のように固まってしまった。
翔「ふふっ。変な顔」
そう言った後、二の腕をがっしと掴まれて、小鳥が餌を啄むように何度もキスをされた。
翔「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」
………。
………。
………。
……はっ!
「しゃっ…っ、しゃ、きゅ、りゃ、い、きゅ、ん…っっ、、」
翔「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」
「しゃ、しゃ、しゃ…、、」
翔「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」
キスの合間に名前を呼ぶのが精一杯なほど、暇なく繰り返される口づけ。
櫻井翔くんとキス、できるのは嬉しいんだけど…。
流石に、ちょっと疲れてきた。
それに、少し…唇がヒリヒリしてきたし。
正直な話…、もういい加減、やめてほしいな…。
翔「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」
もう…彼がやめるまで待つしかないか…。
まだ止みそうにないキスの雨に、俺はそっと…、目を瞑った。