第12章 愛のかたまり
ああ、そんなこと言ったなあ。
それで、櫻井翔くんが高1の時に追い抜かれて。
お祝いしないとなあって、考えてはいたんだけど。
でも、その時から徐々に先生の様子が変わっていって…。
それから、先生以外の人とは疎遠になっていって…。
そんな中でも、相葉っちと櫻井翔くんには隠れて会っていたんだけど…。
それもバレて連絡先も住所も職場も変えさせられて。
それでも、あのときの俺は…先生が居れば幸せだった。
幸せ、だったんだ…。
「お祝い、するよ。是非ともお祝いさせて?」
翔「ほんとですか?嬉しいなあ。ははっ、言ってみるもんですね?」
「遅くなってしまって、ごめんね?俺から言ったことなのに…」
翔「いいんです。どんなに時間が経ってようと、その気持ちが嬉しいんですから」
「んふふ。ありがとう。それじゃあ、何か…欲しいものとかある?」
翔「うーん…今のところは、ない、かなあ?」
「じゃあ、食べたいものとか、行きたいところとか…」
翔「うーん…ない、かなあ?」
「そっか…」
うーん…どうしよう…困ったな。
何かしてあげたくても、欲しいものがないのかあ。
それなら…
「ちゅっ」
翔「えっ?!」