第12章 愛のかたまり
グラスと皿を持てるだけ持って2人の元へと行く。
「おまたせ」
ローテーブルにグラスと皿を置いた。
すると、櫻井翔くんが「ありがとう、大野くん」と作業の手を止めて、俺の顔を見ながら言ってくれた。
きゅん…
「う、うん。こ、これで足りるかなあ?」
翔「うん。大丈夫だよ。足りなくなったら取りに行けばいいんだから」
そう言って、グラスと皿を並べていく。
きゅんきゅん…
「そ、そう、だね」
やばい。まただ。
一緒に暮らし始めて1ヶ月くらい経つと言うのに…。
俺の心臓、もつかな…?
あの日、抱き締められてから俺、意識しまくっちゃって…。
顔を見ただけで。
声を聞いただけで。
胸が高鳴って…。
雅「さあはじめようっか~♪今日のアテは~、じゃじゃ~ん♪」
相葉っちが鞄からタッパーを取り出して蓋を開けてテーブルに置いた。
翔「お、から揚げだ。うまそっ」
雅「それとこれも」
また鞄からタッパーを取り出した。
今度は肉じゃがだった。
翔「う~ん、いいにおい♪」
「あっためようか?」
雅「ああだいじょぶ。作ってからそんなに経ってないらしいから」
翔「らしいって?」
雅「“いつもお邪魔してビールくらいしか持っていってないんでしょ?これ持っていって”って渡されたんだ」
「誰に?あ、おばさん?」
雅「え?え~、とねえ…」
俯いてテーブルにのの字を書き出した相葉っち。
まだ飲んでないのに、ほんのり顔が赤い。