第12章 愛のかたまり
和「まあまあ、翔さん。それくらいで許してやったらどうです?」
ずっと引いて、ニヤニヤとみんなの様子を眺めていた二宮さんが、漸く止めに入った。
翔「よし、和也が言うから今日はこの辺で許す。作業も進まないしね」
斗真さんが二宮さんに「ありがとう、ニノ」と抱きついた。
そこに、潤さんが加わろうと一歩踏み出しただけで櫻井翔くんから後ろにグイッと引っ張られた。
翔「潤。だーから、お前はダメだっての!」
潤「ええー、なんでだよー。翔さんのケチー!」
翔「ケチで結構ですよーだ」
べーと舌を出す櫻井翔くん。
へぇー、意外に子供っぽいとこもあるんだな。
ふふ。可愛いじゃん。
男「あのー、お取り込み中すみません…」
男がリビングの入り口に立っていて、遠慮ぎみに話しかけてきた。
あっ…。
翔「ああ、ごめんなさい!さ、入って」
櫻井翔くんに誘導されて男が部屋に入ってきた。
男は昔と変わらない笑顔を携えていた。
俺は、久しぶりのその笑顔に胸がいっぱいになり泣き出しそうになった。
「久しぶり、だね?元気…だった?」
なんとか堪えて、彼の手を取りながら声をかけた。
自分でもわかるくらいに声が震えていた。
雅「はは。大ちゃん、久しぶり。会いたかったよ~、ぐすっ…」
握りあった手をほどかずに、涙を拭った。
俺の手ごと拭ったから、俺の手が主に彼の涙を受け止めた。
ふふ。相葉っち、変わってない…。