第12章 愛のかたまり
どんどんと激しくなっていく潤さんたちの口喧嘩を、腕組みをしてニヤニヤしながら見ている二宮さん。
二宮さんの袖を引っ張って、「止めなくていいの?」と聞いてみた。
和「止めないですよ。いつものことですから。それに、喧嘩するほど…って言うでしょ?」
「まあ、そう、だけど…」
ほんとにいいのかなあ?
和「さあ。あの2人は放っといて。翔さんが戻ってくる前にわたしたちは、始めときましょ?」
「うん…」
二宮さんに促されて、2人のことは気になるけど、片付けを始めた。
カタンッと物音がして振り返ったら、櫻井翔くんがリビングの入り口に立っていた。
「あ、おかえ…」
櫻井翔くんが「しー」と口に指を宛てた。
それを見て、二宮さんがコクりと頷いた。
俺も頷き、黙った。
櫻井翔くんが潤さんと斗真さんの背後に廻った。
そして、2人の肩をガシッと掴んだ。
翔「くぉらっ!潤!斗真!」
潤斗真「うわあ!ごめんなさいー!」
手を擦り合わせて謝るも、こっぴどく叱られた潤さんたち。
あからさまに落ち込んでて、悪いとは思うけど…、また噴き出しそうになる。
ああ、楽しいなあ。
こんなに楽しいの、どれくらいぶりだろ?